将来的には県内各地でも「宮古島バブル」と同様な状況に?

最近、「宮古島バブル」という表現を耳にする機会が増え、宮古島での観光客の受け皿不足はより深刻になっています。

2015年度には伊良部大橋が開通、2016年度には海外クルーズの寄港が急伸し、入域観光客数40万人だった2013年度と比べ、2018年度は114万人。5年間で約3倍にまで膨れ上がっています。さらに、今年3月30日には下地空港も開港し、国内ではジェットスターが東京・大阪で定期便を、そして7月19日からは香港エキスプレスが国際線で運行スタートします。

人口約5万5千人の島には多すぎる観光客数も、本年度はさらに増える見込み。単純計算で毎月約9万5千人の観光客が訪れる計算になり、島民の約2倍の数字。島の物価は高騰し、無論、住民生活の環境の悪化が懸念されている状況です。

伸び続ける観光客の受け入れのためにホテル建設が進むが、従業員不足となっており、仮にホテルが建設された後も従業員の住まいを確保するための住居も不足状態で、早急な対応が求められています。人手不足、空き家不足、地価高騰、家賃高騰、島民の生活環境の悪化や自然環境への影響、バブル終了後の対策など、課題は明確な状況の中、果たしてそれに対する具体的な対策は果たしてあるのか、少し気になるところでもあります。

沖縄本島でも、ここ6、7年は急激に観光客数が増えており、沖縄コンベンションビューローによると今年は1000万人の超える見通しです。2030年度には1700万人にも上るといわれている入域観光客数。「宮古島バブル」と似たような事態になるのではないかと、懸念する声も上がっています。58号線がある西海岸に観光客向けの施設やリゾートホテルなどが集中していますが、東海岸の観光開発を行い、偏らない観光地形成の必要性が高まっているとの見解を示す方も増えているようです。

このように、今、沖縄では「オーバーツーリズム(観光公害)」と言われる現象が起こっており、沖縄が耐えられる以上の観光客が押し寄せ、渋滞など、住民の日常生活に支障をきたすような状況が多々見受けられます。このような課題から、住民の暮らしを最優先に考えたバランスの良い観光モデルを考えることが今後の沖縄の発展に欠かせないのではないかと思います。

当社のブログではハワイと沖縄の観光に関しての記事を書いていますのでご覧になってください。

沖縄がハワイに勝てない理由

また、宮古島バブルに関してとても分かりやすいブログ記事を見つけましたので、ぜひご覧になってみてください。

宮古島バブル崩壊へ 島の経済が破綻する3つのシナリオ

OTA3社に公取委が立ち入り検査

OTA(オンライン旅行会社)と呼ばれる、楽天トラベル、Booking.com、エクスペディアの3社が、公正取引委員会による立ち入り検査を受けたことが報道されました。立ち入り検査の理由は、独占禁止法違反(不公正な取引方法)。
上記3社は、それぞれ国内宿泊施設(ホテルや旅館等)との契約の際、他のサイトにより割安な料金を提示した場合に、同等以下の価格での提供を求める条項を盛り込んだとされています(というか盛り込んでます)。

航空新聞社の報道によると、楽天トラベルは以下のようなコメントを出しています。

今回の立ち入り検査を受けて楽天は、検査が入った事実を認めた上で「当社は法令遵守の徹底および企業の社会的責任に基づいた事業運営を行ってきたたが、今回、立ち入り検査を受けた事実を厳粛かつ真摯に受け止め、公正取引委員会の検査に全面的に協力していく。なお検査の経過などについては判明次第お知らせする」という内容のコメントを発表した。

ちなみに楽天から実際に送られてくるメールは以下のような内容です。

上図に続けて、次のような文章が書かれていました。

さて、貴社におかれましては、下記宿泊日においてお部屋登録数または料金が他社サイトと異っている可能性がございます。
お手数をおかけいたしますが、設定のご確認、ご修正をお願いいたします。
こちらご契約条件(最低・同一料金保証)に基づくお願いとなりますので、一定期間改善が見られない場合、弊社から通知のうえ今後の貴社契約プランが変更となる場合がございますので、ご留意ください。

上記を要約すると……

①他サイト(このメールの時はBooking.com)の方が安いから料金を修正せよ。
②これは最低・同一料金保証をうたった契約に基づいている。
③従わない場合は契約プランを変更する場合がある。

という趣旨です。


新聞による報道

この件は新聞でもかなり詳しく報道されていました。論点としては、各OTAが、競合他社と比べて同等以上有利な条件で取引を求める条件「最恵国待遇(MFN)条項」を付した契約をしたことをあげています。

これは、独占禁止法19条で禁じられている、拘束条件付き取引に該当する可能性があります。同条は他社との取引を不当に拘束するような条件を禁止することは、自由な企業活動や市場参入を阻害する恐れがあるとして、拘束条件付き取引を禁じているそうです。

沖縄がハワイに勝てない理由

沖縄を訪れる観光客数は増加を続けており、ハワイに迫りつつあるといわれています。

一方で観光消費額はハワイの4割程度にとどまっており、ひとりの観光客が消費する額が伸び悩んでいるという現状も。りゅうぎん総合研究所は14日、「ハワイの観光と沖縄」と題する調査結果を発表し、その状況をレポートしています。

沖縄 ハワイ
入域観光客数 939万6200人 940万4346人
観光消費額 6948億200万円 1兆8826億円
1人あたりの消費額 7万3945円 19万8699円
滞在日数 3.65日 8.94日
1人1日あたり消費額 2万258円 2万2310円

上記の表を見てみると、これまでいわれていたほど1人あたりの消費額に違いはなく(少なくとも1日あたり消費額には大差がない)、むしろ滞在日数の差が、1人あたりの消費額の差を生じさせているようです。

ハワイを訪れた観光客は、沖縄を訪れた観光客より約2.5倍長く滞在しており、その差がハワイと沖縄の観光収入の差となっているようなのです。りゅうぎん総研は沖縄がハワイの水準に近づくためには、より多くの観光客の受け入れが必要だとしていますが、それだけでは限界がありそうです。那覇空港が改装されて輸送能力が向上するため、相当程度の観光客増も見込まれますが、それに加えて長期滞在ができる環境を整えていくことも必要となりそうです。

また、観光客が増加しすぎることで、地域住民の観光に対するストレスが増加し、いわゆるオーバーツーリズムが問題となりつつあります。同時に、こういった問題への対処も必要となるでしょう。

(注)表はりゅうぎん総研レポートより。2017年の沖縄とハワイの比較データで、対ドルレートは112円。